好きを私にください。
「ちゃんとお礼言いなさいね?」


ってお母さん。


「あ、うん…。」


嘘…。

あたしが事故った時点でだけど…


塾にもバレてるし、家族にもバレてる…。


あたしたち…どうなるんだろう…??



“別れ”




そんな言葉が頭をよぎった。

…じゃあもうあたしたち…ただの生徒と教師…?


先生の様子からじゃ分かんなかったし…。


「明海。」

「…何?」

「お父さんたち、そろそろ帰るな。」

「え、あ、うん。」

「まだ混乱してるでしょ?ゆっくり頭の中、整理しなさい。」


そう言い残して、3人は病室から出て行った。


…なんで…


「なんでこんな長い時間眠っちゃったの…。」


頭を抱え込んだ。


「なんで事故っちゃったの…?」


あたし、バカだ。


もう少し注意してれば。

バレなかったばずなのに…。



先生に辛い思いさせなくて済んだのに…。


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