好きを私にください。
先生の学生時代の話とか、

妹さんの話とか、

お兄ちゃんとの思い出話とか、


いっぱいいっぱいあるのにっ…。


なんでっ…!?



『ん?だって返す時のやり取りとかめんどいじゃん。』


先生からの初めてのプレゼントは、石井アンのCD。

わざわざ焼いてくれたんだよね。この時にはもう好きで…。



『仕方ないでしょ、もう亮と会っちゃった時点で全部通用しなくなったんだし。』


映画館でたまたま先生と会って、お兄ちゃんと先生が同級生だって分かって…。

あの時から、あたしたちの関係は動き出したんだよね。



『別れました。』


あたし、喜んじゃったの、あの時…。

でも、その後佑実さんに会って…すごく不安になったけど、先生はちゃんとしてて…。



『いーよ、それで。んじゃ、明日から探るわ。』


無謀な賭けをしたね。

だけど、そのおかげで今のあたしたちがいるんだよね。




『何してんの?アンタ…バカじゃないの?』


塾をサボって公園で泣いてたあたしをわざわざ迎えに来てくれたね。

嬉しかったよ…?



『あ、そうそう、賭けね、答え言っとくわ。好きな人は…俺。』


賭けに負けたあたし。

変に自信家だよね、先生って…。



あたしは賭けに負けて



『賭けに負けたアンタへの命令?は…』


あれは今からどれほど前?

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