好きを私にください。



「ジングルベール、ジングルベール、すっずがぁ鳴るぅ~♪」


街を歩けば、そんな子供の声。


「…クリスマス。」


今日は23日、祝日。

なんて嬉しいんだろう。
そして、明日の24日、クリスマスイブ。

明後日、25日、クリスマス。


「はぁ…。」


持田とのクリスマスパーティーは25日が塾だから、24日にってことになった。

別れたし、未練がましいかもしれないし…あたし限定じゃないけど、先生とクリスマスを過ごせる。


一瞬でも、一緒にいられる。


プレゼントなんてあげれないし、カップルらしい会話も何もできないけど、

一緒にいれるだけで幸せなあたしって…。


「雪、降らないかな。」


埼玉のこの地に雪が降る確率なんてほとんどないし、降っても積もらないないし。


「ホワイトクリスマスがいいなぁ。」


なんか神秘的でよくない?

その日だけ、一点の汚れも無く、キレイな、白銀の世界に包まれる…。


…あたし、結構ロマンチストなんだね。


「クリスマスプレゼント…。」


この間まではカバンーとか思ってたけど…

今は、先生がいいな。


なんで先生…。


モンモンと頭の中を巡る考え。


「あ゙ー、もうッ!!!」


分かんないっ!!

考えるの、止めよう。


持田…か。

あたしよりも全然身長がある持田。
先生より大きいんだよね。
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