好きを私にください。
「菅田?」

「えっ、あぁ、何??」

「別になんも言ってないから平気だけど…。」


って笑った。

つられてあたしも笑う。
きっと、苦笑いだけど…。


「なんかゴメンな、本当だったら高チャンと一緒だったんだろうけど…。」


と呟いた。


ズキリと心が痛む。


「…ううん、元々、予定入って無かったし…。」

「…?」

「それに、先生とは…別れたし。」

「えっ!?」


ピタっと立ち止まる、持田。


「別れたって…!」

「えへへ…フラれちゃった…。」


持田の服の袖を掴んで、呟いた。


「なんで…!」

「知らない…。けど、ゴメンって。」

「…菅田…その…。」

「いいの、ゴメンね、こんな話ししちゃって…。」


あたしは持田の前まで走って行くと、持田に背を向けたまま、


「いっぱい遊ぼ!!」


と言った。

持田を振り返って


「クリスマスなんだしさっ!」


と笑った。

持田はホッとしたように笑みを零すと、


「当たり前じゃん。ってか、今日イブだけどね。」


って笑った。


「別に一緒だし!!!」
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