好きを私にください。
「ぅわ!」


パッとついた電飾に、思わず声をあげる。


「結構キレイだな~。」

「うんっ♪」


正直なところ、あたし電飾系に弱くて、近くで見てると目がおかしくなっちゃうんだけど…。


「クリスマスって感じする~!」


もう少し離れて見たい、なんて…持田に悪い気がするし。


「そりゃクリスマスだもんなぁ~。」

「あ、今日クリスマスイブか!」

「は!?何!?忘れてたの!?」

「え?うん。」

「おいおい…。」


最近ボケてきちゃったんだよね…。

本当だったら先生と過ごしてたんだろうなぁ…。そう考えると、胸がギュッと締め付けられるかのようで…。


「なぁ、菅田。」


イルミネーションを見つめながらそうあたしに声をかける持田。


「…何?」


これまたイルミネーションを見ながらそう答えるあたし。



「…高ちゃんと、別れたんだろ?」



周りに、改めて言われると、キツイな。自分の中では結構整理がついたと思ってたのに。


「うん…まぁ。」


あんまり触れないで欲しい話題だなー。持田って結構アレだけど…さ!?


「…じゃあさ、俺と付き合お。」


…え?


あたしはバッと持田の方を見た。

バチッと目があって、思わず勢い良く反らした。
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