好きを私にください。
「何言ってんの、持田。」

「俺、本気だけど?」


いつになく真剣な持田に、なんだか圧倒される。


「…。」

「3年間ずっと同じクラスで、いろんなお前を見てきた。」


そう、だね。

3年間…軽いようで、重い年数。


「2年ときはあんま話さなかったけど。」


1年のときは、結構関わりとかあって…でも、2年は全然話さなくて。


「3年になって、結構話すようになって…」


ていうかあたしが無理矢理絡んでたしね…。だって最後の年なのに、せっかく3年間同じクラスの持田とあんまり話さないで卒業しちゃうのももったいないと思ったんだもん。


「好きだと思った。」

「…。」


あたし、どうすればいんだろう?

そっと持田に背を向ける。


「俺、前にも1度言ったよな?」

「…?」


ま、え…にも…??

あたしは一気に記憶をさかのぼる。


「あ…。」

「中2の12月頭。」


そうだ、あのとき…。

結構仲良かった男子と『俺の好きなのお前~』とか『あたしの好きなのアンタ~』とかってメールしてて…。


「冗談だと思った…?」


そんな最中に持田から『俺と付き合って下さい!!』ってメール来て…。どうせその男子の回し物だろうと思ってシカトしちゃったんだよね…。


「冗談じゃなかったの??」


あたしは持田を振り返って言った。


「冗談なんて誰が言った?」
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