好きを私にください。
-ガラッ


「あっ!!」


え??

後ろから声がして振り返ると、佑実さんがいた。


「な、なんで明海ちゃんがいるのよ…!?」

「佑実さんこそっ…!!!」


何??まさかの修羅場とか!!?!?


「ただのお見舞いよっ!!明海ちゃんは…?」

「えっと…お兄ちゃんに聞いて…。」

「なるほどね、あの人…やってくれたわけね。」


なんかあたしがお邪魔みたいな言い方じゃんッ!!


「まぁいいわ。お邪魔みたいだし、帰るわね。あぁ、和樹!」

「ん??」

「塾長が、明日の手術、健闘を祈るって!!」

「ん~、サンキュ。」


それだけ言うと、佑実さんは帰って行った。


「本当に明日手術なんだね。」

「まぁね。」

「もぅっ!!タバコ吸ったりお酒いっぱい飲んだり変な生活してるから癌なんかになっちゃうんだよ!!」

「うんー。」

「…心配させないで。」


そう言うと、先生は笑って


「明海にそう言われるとはな。」

って言った。


「う、うるさいっ。」


先生だぁ…。すごくホッとする…。


「ね、先生。」

「ん??」

「明日、学校終わったらまた来てもいい?」

「…。」

「持田ともケジメつけてくるから。」

「ケジメつけたら来ていいよ?」

「…うんっ。」
< 323 / 350 >

この作品をシェア

pagetop