好きを私にください。
「きっと会いたいと思うわよ??」

「…。」

「和樹も、あなたにね。」

「佑実さん…。」


なんであたしの決心を崩すかなぁ…。


「行ってあげなさい、お母さんもきっと喜ぶわ。」

「…そうかなぁ。」


やっぱ邪魔になっちゃう気がするんだよなぁ…。


「ほら、行くわよっ。」


そんな想いも虚しく、あたしは佑実サンに引っ張られて先生の病室に行くことに。


先生の病室の前に立ったとき、ちょうど病室のドアが開いた。


「あら、明海ちゃん…。」

「あ…。」


先生のお母さん…。


「和樹、さっき目が覚めてね。私たちはもう帰るから、ゆっくりして行って??明日はお休みだし、明海チャンのご両親にOKがもらえたら、泊っていっても構わないし…。」


な、なんていい人っ…!!


「じゃあ、私送って行きます。」


って佑実さんが申し出た。


「そう?よろしくしていいかしら。足が無くて困ってたのよね。」


って先生のお母さんが言う。


「ということで、じゃあね、明海ちゃん。」

「和樹を、よろしくね。」

「あ、はい…さようなら。」


あたしは3人を見送ってから、病室に入ることにした。


先生のお母さん…初めて会ったけど、すごく親しみやすいというか…あたし、あのお母さん好きかも。


-コンコンッ


「先生ー。」


そろっとドアを開けて顔を覗かせた。

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