好きを私にください。
「明海、帰ろうッ!!」

「うんー。」


部活を終えると、時間は7時を過ぎかける。


空には、たくさんの星が出る。

すっごく、キレイなんだよ。まぁ、田舎だからね。

先生と一緒に、見たいなぁ…、なんてね。


塾、電気付いてる。遠くからでも分かるや。


あたしも、あそこに通えたらなぁ、なんて。

中3までだから、無理だよね。


「そう言えばさ、明海って彼氏いるんでしょ?」

「え?うん。」


先生。


「どんな人~???」

「えっとねー。」


あたし、ちゃんとまたどこかで出逢えるって、信じてるよ。


「うんうんっ。」


塾の前に、誰か立ってる。

そういう当番もあるのかな…??


「…あたしの、運命の人、かな。」


あたしの頬を、涙が伝う。


「えっ!?ちょっ、明海!?」


「…先生…。」


あたしに向かって微笑むのは、見間違うはずもない。


「なんでっ…??」


ここにいるはずない。


「…明海。」




< 342 / 350 >

この作品をシェア

pagetop