好きを私にください。
「バイトじゃねーよ。」


じゃあ正社員…?言い方おかしいかもだけど…。


「もう先生ヤケだよね。」


バイトとかも言っちゃいけないのに。


「仕方ないでしょ、もう亮と会っちゃった時点で全部通用しなくなったんだし。」

「…そっか。」


お兄ちゃん、ありがとうございます!!

バカ兄貴とか言ってスミマセン!


「え、でもさ、大学は…?」

「中退した。」


とんでもない事をサラッと言えるこの人はすごい。


「で、中退してすぐにバイトしてた今の塾で雇ってもらった。」


…可能なの?そんなの…。
中学生のあたしにはそんな事全然分かんないや。


「ま、大学出てる先生に比べりゃ役職なんかは低いけどな。」

「ふぅ~ん。」


そうなんだ…。


「あれ、1人?」

「悪いか。」

「い、いえ、別に。」


触れちゃいけない所に触れたようで。


「映画は1人でも全然平気だし。」


寂しー…。


それからしばらくして、お兄ちゃんがニコニコしながら戻ってきた。


この兄貴は…全く。



それから本当にお昼を食べて、お兄ちゃんと先生はアドレス交換して、解散。

あたしも~♪って冗談で言ったら


“考えといてやる”


って言われた。
少しだけ本気入ってたのにな…。
< 55 / 350 >

この作品をシェア

pagetop