好きを私にください。
家に帰ると、即行お兄ちゃんの部屋へ。


「な、なんだよ明海…。」


あたしのあまりの勢いに引き気味のお兄ちゃん。


「お兄ちゃんと先生ってどんな関係!?」

「あ、そっか、お前の言ってた先生って、和樹の事だもんな。」


成程な~って言ってるお兄ちゃん。


「早く教えてよ!」

「んん~…俺らは、高校の同級生だ。」

「え゙!?」


高校時代のお兄ちゃんって…めっちゃ荒れてたよね…!?

先生もそのうちの1人!?


「あの頃はヤンチャ坊主だったな~。」


そう、懐かしみながら言うお兄ちゃん。
…やっぱりそうだったんだ。


「ま、和樹は俺ほどヤンチャでもなかったけどな?」


あたしの気持ちを察してかそう付け加えるお兄ちゃん。


「そっか!」

「で、卒業後、俺と和樹、一緒に同じ大学に進んだんだ。」

「そうなの!?」


一応先生も頭良いみたいな事言ってた気がする…。

けど、お兄ちゃんが今通っているのはなかなかいいレベルの大学。
お兄ちゃんが受かっただけでも奇跡だったのに…

先生ってそんなに頭良かったのかなぁ?


「でも、和樹は途中で辞めた。ついてこれなかったみたいだな~。」


…あまり聞きたくない事実が判明しましたよ、今。


「俺より頭悪かったしな~☆」

「…兄貴の自惚れとか聞きたくないんだけど。」


とあたしは突っ込む。


「そう言うなよな~。

まぁ、それで、大学を辞めた和樹は消息不明に。どっか行っちまったんだよな~。

…てか、ただ単に俺が探さなかっただけだけど。」


探せよ、そこ!
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