好きを私にください。
「どーせガキですよッ!!!」

「置いてくよ~。」

「あ゙!!待ってよ~!!」


あたしは急いで先生を追いかける。

けど、履きなれてるとは言えヒールだし、慣れないマキシ丈だし!!!
走りにくい~!!


「遅~!」

「うるさいおじちゃん!!」

「だから永遠の18だっつの!」

「うるさい22歳か23歳!!サバ読むなッ!!」

「はっ!?」


ベーだっ!!しっかり言い返してやったね!!!

それにしても、人が多い多い…。


「菅田さん~、迷子になんないでね~。」

「ね、先生。その呼び方どうにかなんないの?」

「は?」

「だってさ、完全に他人みたいだし、なんか変じゃん。」

「んなこと言われても…。」


まぁ、それもそうなんだけどさ、おかしいじゃん。

先生、外見的にもそう言う感じしないのにさ、名字にさん付けなんて。しかも塾行くからってスーツだし…。
と言ってもYシャツにネクタイ、ズボンなんだけどね。


「今だけでいいから…周りの目とか気にしてさ!!」

「…確かにな~、下手したら俺が悪い奴みてーじゃん。」


正直、デート気分を味わいたいってのもある。

とはいえ、周りの目:デート気分=9:1だけどね。


「んじゃ、菅田って呼んでやる~。」

「なんか変なの~。」

「何?じゃあ明海って呼ぶの?」


ってふはって笑いながら聞く先生。


「…やっぱいい。」


なんかくすぐったいよ。
顔が熱い…。

あたし、彼女でも何でも無いのに。


「別にそう呼んでもいいけどさ~、塾でそう呼んだらヤバいじゃん??」

「…確かにね。」

「てことで、菅田で。ちゃんと反応しろよ~?」
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