好きを私にください。
「それじゃ、続きやるか。」


やってる途中、どうしても暇になっちゃって、先生に声をかけた。


「ね、先生。」

「何?」

「彼女さんとは順調?」


そう、この人、彼女持ちなの。

つまり、あたしは先生を好きになってしまったばかりか、彼女持ちの人を好きになっちゃったんだ。


「あぁ、まーね。」

「彼女さん、いくつ??」

「ん~…18とか19とかじゃん?」


若いな…。本当のこと言ってんのかなぁ??年の差いくつよ…。


「先生はいくつ?」

「俺?永遠の18歳。」

「じゃあタバコ吸ったりお酒飲んだりしないの?」

「バカ。タバコ吸うときと酒飲むときだけは20歳になんだよ。」


別に、それバカとか関係なくない??


「あっそッ!!」


ここの塾の暗黙のルール。
先生のことに関しては、詮索禁止。

悲しいよね。

だから、好きな人のことも分からない。


知ってるのはね、

名前、高里。下の名前、知らない。

誕生日、分かんない。

血液型、知らない。

塾の先生で、理数系担当。

で、年齢…25くらいかなぁ。

そのくらいしかしらない。

あ、好きなこと、カラオケ。あと、ボーリングとか…遊ぶの好きなんだよ。映画も好きみたい。

あとね、あたしと同じマンガが好きなの。
少年マンガなんだけどね。


あと…彼女持ち。

でね、今高3くらいの妹さんがいるんだって。


そのくらいかなぁ。

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