好きを私にください。
有り得ない…。

そっからなんだ…。大人って怖い。


いや、先生が自信家なだけ?


「ほら、着いた。」

「あ、ありがとう。」


ドアを開けて、車を降りていると


「塾で待ってる。」


って先生に言われた。


「…うん、待ってて!」


嬉しい。

“待ってる”

なんだか、デートの約束かなんかしてるみたいじゃん。


「じゃ!」

「先生、頑張ってね!」

「お前らの授業だっつの。」

「あ、そっか。じゃ、頑張ってあたしらを教えてね!」

「はいはい。じゃな。」

「うん!」


あたしがドアを閉めると、先生はすぐに行ってしまった。

それもそうか、こんなところ誰かに見られたりしたら…。


あたしは家に入りながら、早く塾に行きたい…そう思った。



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