好きを私にください。
「血尿の原因は主に腎臓なの。
明海の場合はどうかは分からないけれど…これから何度か検査するから…覚えておいてね。」


…検査…。
まだその段階で済むならいいけど…。


「明海。」


お母さんの声に、そっと顔をあげる。


「この先、何があるか分からないわ。
後悔の無いようにしなさい。」

「…うん。」


あたしは自分の部屋に行った。


あたし、なんかの病気なの?

もし…もしなんかの病気だったら…?


もし、死んじゃったら?


「ッ…。」


自分の体を抱きしめながら、その場にうずくまる。


…先生。

怖いよ、不安だよ。


助けてよ…―!

先生…。


あたしは立ち上がってベッドまで行くと、ベッドに座った。


“後悔の無いようにしなさい。”


あたしが死ぬから?お母さん、分かんないよ…。

あたし、死なないよね?


涙は出なかったけど…体に力が入らなくて…

あたしはそっと顔を上げた。


顔を上げると、星空が見えた。


先生…。
さっき会ったばかりなのに…会いたい。

会って、大丈夫って、安心させてほしい。



先生にそう言われれば、絶対に安心できるのに…。


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