好きを私にください。
・。+* 明海 *+。・


塾、サボっちゃった。
今は家の近所の公園にいる。


家、帰りたくないな。


不安だし…。
あたしはベンチの上でうずくまった。


…探してるかな、お兄ちゃんとか。


「先生…。」


今は…8時…。

腕時計で時間を確認した。
授業が終わるまであと1時間半。

きっと家に電話がいってる。


きっとお母さんは探しもしないだろう。
今日はそっとしておこうって…あたしはそこまでバカじゃないだろうって。


探しに来るなら、お兄ちゃんだ。
そろそろ来るだろうな…。


「先生…。」


あたし、どうしよ。

まだ何かあったわけじゃないけど…怖いし不安だし。
真菜と舞佳のこともあるから…尚更、すべてから逃げだしたいって思った。



「明海っ!!!」



お兄ちゃんの声…。

やっぱり、お兄ちゃんが探しに来た。


「明海っ…バカ、何やってんだよ!!!」


あたしの目の前に来てそう言うお兄ちゃん。


「帰るぞ!!」

「嫌ッ…!」

「!!」

「このまま…このままここにいさせて…。」


先生…。


「1人にしてよっ…。」

「…何がそんなに嫌なんだよ!!」

「…全部が嫌なのっ!!!」
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