好きを私にください。
「泣きながら言われてもね~。」

「バカ~!!」

「は!?来てやったのに…。」

「ふっぅっ…ゴメンね、先生…塾、サボっちゃった…。」

「最初からそう言っとけっての。」


涙でもう声が途切れ途切れだよ…。


「何泣いてんの~?マジで…。しかもこんな所で…お化けみてーじゃん!!」

「うるさい!!」

「…亮が心配してんぞ。」

「…やっぱお兄ちゃんか。」


そんな事だろうと思った。
けど…先生が来てくれてよかった。

心からそう思う。


「で、何かあった?」


ちょっとだけ真剣っぽい先生の声。


「…あたし、病気かも…しれないの。」

「…。」

「この間、血液検査と尿検査をしたの。
そしたら…血尿とたんぱくが出てるって…。」

「…。」


言っちゃったよ、完全に赤の他人の先生に…。


「それで、怖くて不安でっ…舞佳とかの事も思い出して…もう、嫌になって。全部から逃げだしたくなって…。」

「…そっか。」

「っ…。」


涙がより一層溢れ出る。


「…大丈夫。」


そう言って、あたしの頭に手を置いた先生。


「アンタみたいな年頃には、時々あんだよ。」

「…。」

「腎臓が、疲れてるだけだよ。

だから、大丈夫…大丈夫だから。」


先生の言葉がスーッと心に入って来て、だんだんと落ち着く。


「友達の方も、大丈夫。落ち着いて考えてみ?大丈夫だから。」


先生…ありがとう。

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