好きを私にください。
「今日はとりあえず帰れ、な?」

「うん…。」

「それと、賭けの結果…明日には言えそうだから。」


こんな時にそんなことを言い始める先生。


「はっ!?」

「俺って結構勘いーし。」


最悪…明日…。


「1日だけ、待って?逆にあたしに、時間をちょうだい…?」

「…分かった。」


あたしは立ち上がると、


「先生、ありがとう…!」


そう言って微笑みかけた。


「おう。」

「さよーなら。」

「さよなら~。」


ありがとう、先生。
おかげで一歩…ううん、大分前に進める気がするよ。


…あたし、頑張れそうだよ。



先生、ありがとう。

あたし、先生に出逢えてよかった。


軽いノリだったけど、あの塾に入って良かった…。



「ただいま…。」


お母さんに怒られちゃうかな…。


「おかえり、怪我とかして無い?」

「…うん、大丈夫。」

「バカ明海~、地味に心配したんだぞ!」

「ありがとう、お兄ちゃん。」


温かい…。
大丈夫、あたし、頑張れる。
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