好きを私にください。
知ってるようで知らないね。


「先生、めっちゃ年いってそう。」

「言っとくけど、アンタらが想像してるより全然若いかんね!?」

「どーだか。」


フンッて鼻で笑ってやった。


「ねぇ、先生。先生って下の名前何??」

「知らなかったの!?」

「うん、気にしたことなかったもん。」


嘘、本当はずっと気になってたよ?


「なんだと思う??」

「知らんっ。」

「和樹(カズキ)。高里 和樹。」

「ふぅ~ん…。」

「本当に知らなかったの?」

「うん、あたし、今まで知らない人の授業受けてたの。」

「その言い方ヤメロ。」

「えへ☆」


本当に、何にも知らないよ。

だから、いろいろ知りたいし、教えてほしいよ。



受験生だもん、理科も教えてほしいよ?
でも、先生のことの方が教えてほしい。

興味あるよ…。


「んじゃ、今日はここまで~。」


パッて時計見たら、9時半。


「遅ッ!!」

「早く帰れよ~。」


あたしは急いで荷物をまとめた。

先生は、また荷物を持ってくれた。


「早くしてくんない??」


先生は駐輪場まで着いてきてくれた。


「どうしたら理科の成績上がるかなぁ?」

「さぁ?勉強すればあがるんじゃん??」
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