好きを私にください。
「あ、そうそう、賭けね、答え言っとくわ。」


ドアに向かいながら先生はそう言った。


あっ…忘れてた。けど…
大丈夫、バレない、バレない。


「菅田さんには好きな人がいる。」

「…うん。」


大丈夫、大丈夫…。

バレるわけないじゃん!


大丈夫、この賭けはあたしが勝つ…!


「で、その好きな人は…」


そう言いながら先生はドアを開いた。

鼓動がうるさい。


「俺。」


こっちを振り向く事無くそう言った。

っ…。


体が固まった。


「結果は、後で聞いてやるよ。」


そう言い残して、ドアを閉めて出て行った。


「嘘…。」


あたしはそう言って床に座り込んだ。


「なんで…?」


なんでバレてんの~!?

嘘でしょ!!?!?


ば、バレ…。

てことは、あたしの負け!?

いや、“先生自意識過剰~!!!”って言っとく!?


でもそれじゃあずるいし…!?

あぁあ!!


負け…認める?
で、先生からなんか条件が出てくるんでしょ…?!
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