好きを私にください。
マジ勘弁してよぉ!!!


「で、勝ったら条件決めていんだよな?」


人が少なくなった駐輪場でそういう先生。


「う、うん…。」

「何にしよっかな~。」


あぁ…涙が出そう…。

そう思っていると、最後の1人が帰ってしまった…。


「さて、これで人はいませんが?」

「っ…。」


マズイっ…ひんじょおにマズイ!!!


「俺の結論は、お前には好きな人がいて、んでそれは俺。
どう?」

「っ…どんだけ自意識過剰なの…。」

「は?自意識過剰じゃねぇよ、事実だ、事実!」

「~っ。」


ヤダっ…今そうだって言ったら失恋しちゃうっ…。

かと言って嘘も付きたくないし…。


「せ、先生。」

「あ?」

「アド、教えてよ。メールで言ったげる!」

「ふざけんな。アンタね…。」

「バカ~。」


こりゃもう今すぐにでも穴に入りたいですね。


「っ…だよ。」

「え?」


そう先生が言った瞬間、あたしは先生を振り切って


「そうだよッ!!」


そう叫んで逃げ帰った。

言っ…ちゃっ…たぁ…。


「ぅっ…先生…。」


あたし、失恋しちゃう。
嫌だな…失恋したくないよ…―。

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