好きを私にください。
「ここ、あたしんちだよね?」

「うん。」

「なんで?」

「遊びに来たから?」

「塾は?」

「終わったよ、ちゃんと。」


もう12時を回ってる…。
それもそうか。


「なんでいんのっ…!?先生…。」

「だってアンタ逃げんじゃん。」

「っ…。」

「なんで逃げんの?卑怯。」


そうだよ、その通りだよ。
でも、あたしだっていっぱいいっぱいなんだもん。

もたないよ…。


「だって…もっと温めて…告白、するなら卒塾の時にって、思ってたんだもん。」


まだ6月頭。
卒塾まであと9ヶ月もあったのに…。


「…あと9ヶ月って…温めすぎだろ!」

「1年は温めないと~!!!」


って、あたしはなんでこんな話を好きな人としてるんだろう…。
おかしくない!?


「…たく…。今日は、賭けに勝ったんだ、その事を言いに来た。」

「あ…。」


あたし負けたから、先生の言う事1つ聞かなきゃいけないんだ…。


「ケータイ出せ。」

「へっ!?」

「早く。」

「そ、それが…命令?」

「ん?違う。」


違うの!?じゃあ何!?
そう思いながらあたしはケータイを出した。


先生は1人で2つのケータイをいじってて、途中で


「パスは?」

「…言うの?」

「早く。」

「…0602。」
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