好きを私にください。
「なんで逃げるの…?卑怯だよ。」


先生は大きく目を開いている。


「さっき先生がそうあたしに言ったの!」

「…。」

「先生はいっつもいっつも…ずるいよ!!」


あたしはイスから立ち上がって言った。


「いっつも余裕で…ずるいよっ…。
先生は大人だし、あたしは子供だし…。

子供なりに頑張ってるつもりだった!

でも先生はいつも余裕で…悔しくてっ…。」


あぁ~、もう最悪…。
こんなのって、無い…。

かっこわるすぎだよ…。


あたしは俯いた。

涙がポタポタとフローリングの床を濡らした。


「…はぁ。」


そう大きく溜息を吐いた先生。


「菅田さん。」

「っ…。」


怖い…。あたし、終わっちゃうんだ…。



-ドクンッ…ドクンッ…


心臓の音がうるさい。


もう、ダメなんだ…。
きっと、“もう俺に近付かない事”とか…そんなんなんだ…。


先生、もう…ダメなんだ…ね…。

楽しかったです…。
ありがとう…。



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