不器用なシタゴコロ

アルバムの中のモモクンは。

当たり前だけど“2sbBのモモクン”。



さっきまで一緒にいたのは“とーやクン”。





2人が同じ人間だっていう確証はない。





でも。

柔らかく触れた唇の感触。

とーやクンの囁く甘い声。

腰に回された腕の温かさは。

まだ全部リアルに残ってる。





…ねぇ、とーやクン。



なんでキスしたの?

なんで抱きしめたの?



あなたは。

ホントは“モモクン”なの…?





…ギュッ。



手元にあるクッションを抱き抱え。

顔を埋める。





…考えても、答えなんてでない。



だって。

私も同じだから。





なんでキスしたんだろう。

なんでイヤじゃなかったんだろう。





―答えなんて

頭で考えて出るような複雑なモンじゃない

目を瞑ってカウントダウン

目蓋の裏に浮かんだのはなに?―



 

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