不器用なシタゴコロ
…とーやクンとモモクンが同一人物なんじゃないかって思い始めてから。
私はおかしい。
ケータイに保存されてるモモクンも。
もらったアルバムのモモクンも。
この間買った雑誌のモモクンも。
…みーんなとーやクンに見えてくる。
おかげで。
大好きなモモクンが見れない。
…モモクン見ると思い出しちゃうんだもん。
とーやクンとのキ…。
「…変態…」
『はいッ?!』
呆れたような沙保の声に我に返った。
『へ、変態って…』
「…いきなり顔赤くしてトリップしないでくれる?」
『ウソッ?!』
私、顔赤い?!
慌てて頬に手を充てると、
…確かに顔が熱い…。
「何思い出してるのか知らないけど。
思い出し赤面もほどほどにね」
そう言って。
沙保は“ニヤリ”と意味ありげに笑った。