不器用なシタゴコロ
「場所とかはとーやに連絡させるから。
ゆずチャンは終わったらとーやに連絡して?」
ミズキクンにそう言われて。
更衣室を出る前にとーやクンにメールしたら。
「駐車場の入り口にミズキクン待たせとくから一緒においで」
って。
わざわざ電話をくれた。
そして―
「ココ、だよ」
ミズキクンに連れてこられたのは。
ウチのお店から少し離れた和風居酒屋だった。
ココは知ってる。
沙保と来たことがある。
しかし。
とーやクンといいミズキクンといい。
どーしてこうも個室のお店ばっかり選ぶんだろう…。
…やっぱり、連れ込むため?
「…“2sbBだ!!”って追っかけられて。
お店に迷惑かけたことがあるんだよ」
『え?』
ヤバい。
今の声に出てたのかな…。
「それに。
連れ込むなら遠回りしないで連れ込むし」
ミズキクンが“ニヤリ”と笑った。