不器用なシタゴコロ

…それから。

グラスのお酒が半分空いた頃。

モモクンとミズキクンが戻ってきた。





『…お帰りなさい…』

「ただいま」

「…………………」





ミズキクンは至ってフツーだったけど。



モモクンは。

困ったような怒ってるような。

眉間にシワを寄せたまま。

私の向かいに腰を下ろした。





「…………………」

「…………………」

『…………………』





…く、空気が重い…。



戻ってきてから2人とも何も喋らないし。

部屋の中は。

グラスをテーブルに置く“コトン”っていう小さな音すら。

気になってしまうくらいの静けさに包まれている。





ケイチャンと亮チャンは戻ってこないし。

さっきまでの明るい空気はどこにいっちゃったんだろ。



…ケイチャン、亮チャン。

早く戻って来てぇ…。



 

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