不器用なシタゴコロ

…どうすれば、いいんだろ…。





部屋の奥の壁に寄り掛かっているモモクンと。

対角線上。

最初に来た時と同じように。

部屋の入り口近くに座った私の間には。

会話もなにもなくて。

なんだか妙に張り詰めた空気が漂っている。





洗面所に行く前に飲んでたお酒は。

グラスにたっぷり入っていた氷が溶けて。

もうお酒とは言えない代物になっていて。

水滴だらけのグラスは。

もう触る気にすらならなかった。





「…ゆずサン」





居心地悪くて。

逃げ出してしまいたくなるようなこの空気を。

…沈黙を破ったのはモモクンだった。





『な、なにッ?!』



声がひっくり返っちゃった。

ただ名前呼ばれただけなのに…。




でもモモクンは。

“ただ呼んだだけ”じゃないらしく。





「…腹、括るかぁ…」





と、自嘲気味に呟くと。

真っ直ぐに私と視線を絡ませた。



 

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