不器用なシタゴコロ
「…あの、さ…」
高くもなく低くもなく。
ちょっとハスキーな声が言葉を紡ぐ。
そして。
ちょっと俯きながら。
モモクンは指先で自身の下唇に触れた。
―“そっくり”
なんて言葉で済ませてしまうには。
あまりにも似過ぎてる。
その声。
その表情。
その仕草。
…疑惑を確信に変えるには。
それだけで十分だった。
…ねぇ、モモクン。
あなたは……。
『…とーやクン、なんでしょう…?』
真っ直ぐに見据える視線の先には。
目を見開き、驚きを隠さないモモクンの顔があった。
…かと思ったら。
「…バレてたのか」
そう呟いて。
“フッ”と口元を緩ませた。