不器用なシタゴコロ

“バレてたのか”って…。





自嘲気味に口元を緩ませたモモクン。





そんなモモクンは。

私の知ってる“とーやクン”と同じ。

優しい瞳を見せた。





“なんで言ってくれなかったの?!”とか。

“なんでキスなんてしたの?!”とか。



言いたいことはたくさんあるはずなのに。

喉の奥の方で。

言葉がつかえて出てこない。





でも。

絡んでくるモモクンの熱っぽい視線に。

無意識に心臓は音を立てていく。





「…いつから、気付いてた?」

『…な、何に?』

「“モモ”が“とーや”だって」





そんな私に気付かないはずないモモクンは。

“スッ”と私の頬を指先で撫でた。





『…確信持ったのはついさっきだよ…。
とーやクンとモモクンが同じ仕草したから…』

「同じ仕草?」

『何か考えるトキ…下唇に触るでしょ…?』





頬を撫でるモモクンの指先が“ぴくり”と反応した。



 

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