不器用なシタゴコロ
見据えられた視線から逃れたくても逃れられず。
顔だけじゃなくて、身体中の温度が上がる。
でも。
いくら見つめられても。
“コレだッ!!”て納得いく答えなんて見つからない。
『……そんなの…わかんないよ…』
…モモクンととーやクンが。
同じ人間だった、ってことしかわかんない…。
自分でも何言ってるのかわからないんだから。
彼はもっとわからないだろう。
そう思った…のに。
「…いいんじゃない?俺は“俺”だし」
そう言って彼は。
ふんわり。
さっきまでの意地悪そうな笑みとは違う。
柔らかく、優しく目を細めた。
「…明日仕事何時から?」
『遅番、だけど…』
「飲み直し、しよっか」
彼の唐突な話に。
私は頷くことも、断ることもできなかった。