不器用なシタゴコロ

コトン。

小さく音を立ててテーブルに持ってきたものを置いた彼。



…別に何をしてたわけでもないんだけど。

なんとなく後ろめたくなる。





『や…オシャレな部屋だなぁ、と思って』

「よけいなモノ置いてないだけ。
仕事部屋なんてグダグダだし」





苦笑混じりにそう言って。

隣の部屋を指差した。





そして。

目を細めて口元を緩ませると。





「…飲み直し。
こっち来て座んな」





自分が座ったソファーの隣を。

“ポンポン”と叩いた。





…あれって。

隣に座れってことだよね…。



…いやいや。

それは“危険”だと本能が訴える。

なにせさっきも不意打ちでキ…。





「…なに顔赤くしてんの?」

『………ッ?!』





思い出したさっきの不意打ちキスに。

彼の言葉が合わさって。

体温急上昇。



熱くなった頬を両手で押さえた。



 

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