不器用なシタゴコロ

ﾐｽﾞｷｸﾝからの電話の後。

席に戻ってしばらく沙保と他愛ない話で盛り上がってから。

会場に向かった。





開演時間が近いからか。

周りの人のﾃﾝｼｮﾝも高い。





「あの人!!ﾐｽﾞｷくんそっくり!!
あっちはｹｲちゃんだ!!」





沙保は。

ﾒﾝﾊﾞｰそっくりなｺｽﾌﾟﾚをしてる人を見つけては写ﾒ撮らせてもらったりして。

すっかり溶け込んでた。





「―まもなく開場となります。
ﾁｹｯﾄに記載の席番号を確認の上…」





会場の入り口からｱﾅｳﾝｽが聞こえてきた。





「柚、ｱﾘｰﾅはあっちから入るんだって」





ｱﾅｳﾝｽに耳を傾けていた沙保が少し離れた入り口を指差す。





『…行こっか』

「も〜めっちゃ楽しみｯ!!」





今にもｽｷｯﾌﾟしだしそうな沙保の後を追って。

私も入り口へと歩きだした。