不器用なシタゴコロ
―踏み出す勇気がないのを他人のせいにして
未練たらたら後ろ気にして疲れない?
前に進みたいなら
無理矢理一歩踏み出して
後悔するのも次への助走
答えなんて
頭で考えて出るような複雑なモンじゃない
目を瞑ってカウントダウン
目蓋の裏に浮かんだのはなに?―
ベースを弾くとーやクンと目が合った。
…その目は。
意地悪そうな。
全てを見透かしてるような。
鋭い瞳。
そして。
唇を少し開くと。
自身の唇を舌でペロリと舐めた。
………ッ!!
その仕草に。
不意にとーやクンとのキスを思い出してしまって。
急に顔が熱くなった。
それに気付いたかどうかはわからないけど。
とーやクンは口元を緩めながらステージ中央へ歩いていった。