不器用なシタゴコロ

―踏み出す勇気がないのを他人のせいにして

未練たらたら後ろ気にして疲れない?

前に進みたいなら

無理矢理一歩踏み出して

後悔するのも次への助走



答えなんて

頭で考えて出るような複雑なモンじゃない

目を瞑ってカウントダウン

目蓋の裏に浮かんだのはなに?―





ベースを弾くとーやクンと目が合った。





…その目は。

意地悪そうな。

全てを見透かしてるような。

鋭い瞳。



そして。

唇を少し開くと。

自身の唇を舌でペロリと舐めた。





………ッ!!





その仕草に。

不意にとーやクンとのキスを思い出してしまって。

急に顔が熱くなった。





それに気付いたかどうかはわからないけど。

とーやクンは口元を緩めながらステージ中央へ歩いていった。



 

< 235 / 340 >

この作品をシェア

pagetop