不器用なシタゴコロ
目の前には薄明かりに見えるとーやクンの顔。
真っ直ぐに見据えられる瞳が。
私を貫くようにそこにはあった。
『…とーや、クン…?』
その熱っぽい瞳に見つめられてるだけで。
心臓が動きを増していく。
「…ちゃんと視て…?」
『…ッ?!』
そう言ってまぶたに落とされた小さなキス。
そして。
ゆっくりと視界が変わっていく。
目の前にとーやクンがいることには変わりはないけど。
背中には柔らかいベッドの感触。
私の視線の先には。
私を見下ろすとーやクン。
「…ちゃんと感じて…」
横についたとーやクンの指が。
腰を撫でるように触れる。
その指は。
腰から脇腹、脇腹から胸へと。
スルスルとなぞるように上がってくる。
そして首筋から耳をなぞると。
とーやクンが耳元へ唇を寄せた。