不器用なシタゴコロ

“好きだよ”





そう言葉を紡いだ唇は。

耳元から首筋へと。

ゆっくり、焦らすようにキスを落としていく。



それに合わせるようにして。

私の身につけていたものを剥いでいき。

とーやクン自身も着ていたTシャツを脱ぎ捨てると。



…指先で、手のひらで。

舌で、唇で。



全身で私に触れた。





焦らすように触れられて。

それじゃ足りなくって。

もっと欲しくて。



…体は正直に揺れ動く。





「……締めすぎだっ、て…」


『…だっ、て…とーやクンが…ッ』

「…好きな女抱くのに…手加減なんてできねぇ、よ?」

『…ん…でも…ッ…』

「全力で抱くって言っただろ…?」





耳元で囁かれる低く、甘い声。

体を焦らすように這う唇に指先。

動くたびに揺れる髪から香るシャンプーの匂い。

キスする度に誘うように動き回る舌。

そして。

熱っぽく私に絡み付く視線。





私の五感全てが。

とーやクンに抱かれていた。



 

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