不器用なシタゴコロ
―『…や…ッ!!もう…ッ…!!』
―「…まだ足らねぇっ、て…」
―『…も…無理…ッ!!』
攻め立てられる動きに耐えきれず。
いつ意識を飛ばしたのか。
目を開けたとき。
私は“スースー”と小さく寝息をたてるとーやクンの腕に抱かれていた。
…不安なんて感じるヒマもなかった。
体に残るとーやクンの“跡”が。
さっきまでの時間を思い出させて体を熱くさせる。
とーやクンは何度も何度も。
“柚が好きだ”と囁いた。
言葉だけじゃない。
私に触れた唇、指先…全てが。
“好きだ”って言ってくれているようにさえ感じた。
ふと見上げた先には。
薄ら開いた無防備なとーやクンの唇。
…起きない、よね…?
指先でそっと触れてみても。
動く気配はまったくない。
『…恋、してるんだよ…とーやクンに…』
さっき言えなかった言葉を小さく紡いで。
とーやクンの唇に。
自分の唇を寄せた。