不器用なシタゴコロ

『…んう…ッ?!』





…え、ちょっ…なに?!





とーやクンの唇に触れた瞬間。

後頭部は引き寄せられ。

寝ていたはずのとーやクンの腕に。

腰をガッチリ抱き寄せられた。





“触れるだけ”

と、寄せた唇も。

今はとーやクンの唇に挟まれている。




なんで?!

どうして?!





「…まだ足んねぇ…?」





腰に絡む腕が少し緩むと。

少し擦れたとーやクンの声が耳元を擽った。





『た、足らなくないッ!!』

「…俺は全然足らないデス」





そう言いながら。

腰を撫でるとーやクン。





『ちょっ…やめ…ッ』

「…もっかいする?」

『はぁッ?!』

「俺、まだまだイケるよ?」

『んな…ッ!!』

「…つーか俺がシたい」

『えッ…?!ちょっ…やめ…ッ……んッ…』







…結局。

また意識を飛ばすことになり。

私の目が覚めたのは。

太陽が完全に姿を見せてからだった。



 

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