不器用なシタゴコロ
『…え?』
キスマーク?
キスマーク…って…。
『…はぁぁッ?!』
慌てて右耳の後ろを押さえると。
須賀チャンは。
わざとらしいくらいのため息を吐いて首を振った。
「お盛んなのは結構だけど。
つけんなら見えない場所につけろって」
私は。
口をパクパクさせたまま何も言えなくなった。
…う゛〜…ッ。
とーやクンのバカ!!
なにもこんな目立つところにつけなくたっていいじゃない!!
「今日はヒマそうだな」
『…ん〜…おかげで欠伸が止まらない…』
「…寝かせてもらえなかった?」
『…セクハラで訴えマスよ?』
ニヤニヤする須賀チャンを横目に。
髪を右側で纏めると。
また発注表とにらめっこを始めた。