不器用なシタゴコロ

結局。

仕事中、何回したかわからなくなるほどの欠伸をして。

須賀チャンに何度もからかわれた。





それもこれもみんな。

とーやクンのせいだ。

次会ったら絶対文句言ってやる。



…なんて思うけど。

次はいつ会えるのかなんてわからない。





とーやクンは“好き”って言ってくれたけど。

“つきあおう”とか言われたわけじゃない。



だから。

とーやクンと私のカンケイが。

あれで変わったのか、なんてわからない。







「んじゃ、お疲れ」

『お疲れ様でした〜』





仕事を終えて。

お店の前で須賀チャンと別れると。

私は駐車場に向かった。





…昨夜ロクに寝てないし。

帰ったら寝よ…。





そんなことを思いながら歩いていたら。

いつかと同じように。

入り口の低いポールに。

寄りかってる人影が目に入った。



 

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