不器用なシタゴコロ
『…え…なんで……?』
なんで、ミズキクンが…?
まだ半信半疑で近寄れず。
中途半端な距離感を保ったまま。
私は呟いた。
約束なんてしてないし。
今日は打ち合わせがあるってとーやクンが言ってた。
ひょっとして。
ミズキクンのそっくりサンとか…?
だとしても私に話しかける理由なんてないじゃない。
え?じゃあそっくりサンのナンパ?
こんなトコでナンパなんて聞いたことない。
…こうなると。
やっぱり変質者疑惑が消えなくて。
引き気味になってる自分がいる。
「“なんでいるの?”って顔してんね」
薄暗い外灯の下。
そう言いながら2、3歩。
近づいてきたのは。
気まずそうに笑う。
…私の知ってるミズキクンだった。