不器用なシタゴコロ

『だって…』





だって。

ミズキクンが来る理由が思い当たらない。





『今日は夜から仕事だって…』

「うん、仕事と言う名の打ち上げ。
反省会兼ねてメンバーだけで飲んでるんだけど…」





そこまで言って。

ミズキクンは語尾を濁した。





メンバーで飲んでるなら私、カンケーないよね?

…でも。

前みたく良からぬことを考えてるんなら話は別…。





「あ、今回来たコトに他意はないよ」





疑うような顔をしてたのか。

ミズキクンが苦笑いを零した。

そして。

口元を緩ませるとミズキクンは言葉を続けた。





「モモがあんまりにも緩んだバカ面してるから。
ゆずチャンにも見せてあげようかと思って」

『…は?』





今にも吹き出しそうに、笑いを堪えるミズキクン。





…緩んだバカ面って…。

一体どんな顔してんだ、とーやクンは…。



 

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