不器用なシタゴコロ
その声に。
視線をミズキクンの方に向けるけれど。
…視界に入るとーやクンのこめかみ辺りに。
薄ら青筋が見えるのは。
気のせいでしょうか…。
とーやクンの青筋に気付いてるのかいないのか。
ミズキクンが話を始めた。
「あのサプライズ、ゆずチャンがいたから成功したんだよ」
『……え…』
ミズキクンの言葉に。
私の方を向いたケイチャンと亮チャンが頷いた。
私がいたから成功って…。
私、なにもしてないよ?
ミズキクンの言葉の意味はわからないまま。
亮チャンとケイチャンが話を続けた。
「ライブでも言ったけど。
シングルにもしない、アルバムにも入れない。
だからいつもと全然違う“2sbB”をやろうって決めた」
「…で、あるテーマに沿って全員が曲を新しく作ったら。
モモの曲が一番リアルで生々し…」
「ちょっ、ケイチャン?!」
ケイチャンの言葉は。
とーやクンの焦ったような声にかき消された。