不器用なシタゴコロ

“プッ”と吹き出して笑いを堪えるミズキクン。



“やっちまったよ、おい”みたいな。

呆れたようなため息を吐いた亮チャン。



“ヤバい”と。

明らかに動揺してとーやクンから視線を逸らすケイチャン。





そして。





「…あ〜…も〜…」



ため息混じりに左手で口元を覆うとーやクン。





…なにが、どうなってるの?

さっぱりわからない。





でも。

この4人にはきっと。

お互いの理由がわかってる。





ミズキクンが笑いたい理由も。

亮チャンが呆れてる理由も。

ケイチャンが動揺してる理由も。

とーやクンが頬を染めている理由も…。





……って…。

…え?





『…な、んで…顔赤いの…?』

「…ッ?!」





私の言葉に。

とーやクンの頬はさらに赤みを増した。





…思わず二度見。



だって。

目の前に座ってるとーやクンの顔。

熟れた桃みたいにほんのり染まっていたんだ…。



 

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