不器用なシタゴコロ

「…さ〜て、俺らはいてもジャマになるだけだから帰りマスか」





“クックック”と肩を揺らして、笑いを堪えたまま。

ミズキクンはそう言って立ち上がった。



その言葉に合わせて。

苦笑いした亮チャンも立ち上がる。





『……え、ちょっ…ミズキクン?!』





“ジャマになるだけ”ってなに?!

なんのジャマになるの?!





「ほら、ケイチャンも。
これ以上余計なコトしたらモモ、マジでキレそうだから」





立ち上がってるミズキクンが“行くよ”とケイチャンを促す。





…も〜ッ!!

さっきからなんなの?!

話がさっぱりわかんないっての!!





ミズキクンたちは帰り支度始めてるし。

とーやクンは不機嫌そうにそっぽ向いてるし。



…ホッペ、赤いけど。





「ゆずチャン」





ケイチャンと亮チャンが「またね」と。

気まずそうに席を立った後。

ミズキクンが席を離れる間際に。

私に耳打ちした。





「来るときに言ったケド。
あの続き、ちゃんと本人に聞きな?」



 

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