不器用なシタゴコロ
…あぁ、もう。
なんでこうなっちゃうんだろ…。
とーやクンと私。
2人だけにされた空間には。
“気まずい”空気以外なにもない。
ミズキクンも連れてくるだけで放置するなら。
連れてこないでよ…。
とーやクンだってみんなが帰るの止めるとかしないわけ?!
おかしいし!!
帰りは車だからお酒は飲めないし。
目の前のとーやクンは不機嫌丸出しだし。
どこに逃げればいいのよ!!
チラリ。
とーやクンをこっそり盗み見ると。
眉間にシワは寄ってるけどまだ少し頬が赤い。
どーせ不機嫌なら。
なんでミズキクンたちが。
あのサプライズが成功したのが私のおかげだなんて言ったのか。
聞いてみようかな…。
『…ねぇ、とーやク…』
「…ミズキくんから聞いたんでしょ?」
『…え?』
とーやクンが。
ボソッと呟いたその言葉の続きは。
…一瞬で頭を真っ白にさせた。
「…ホントは“ウソ”なんだって…」