不器用なシタゴコロ
vol.14
「…ライブで俺が歌った曲ってさ。
かなり軽い気持ちで作ったんだ」
とーやクンは。
頬杖をついてそっぽを向いたまま。
私と視線を合わせずに話し始めた。
『…“脳内LOVE”だっけ?』
「そう、それ…」
ポツポツと話すとーやクンの顔が。
ほんのり赤らんだ。
「…アレ…俺のキモチ、だったんだ、よね…」
一度しか聴いてないから歌詞は曖昧なんだけど。
また聴きたいって思った曲。
それが。
とーやクンの“キモチ”…?
「好きな子とこーしたい、あーしたい、とか。
どう距離を縮めるか、とか。
誰でも思うようなコトを連ねてできた曲なんだ」
テレてるのか。
とーやクンは口元を隠すように頬杖をついた。