不器用なシタゴコロ

…もう、ダメだ。





とーやクンがついてた“ウソ”も。

私が知りたかった“ホント”も。

根っこは同じ。





…だったらいいじゃない。





私は。

自分の気持ちに抗うことをやめた。





『私、モモクンがずっと好きだった』





私の言葉に。

とーやクンの腕が“ピクリ”と動く。





『…とーやクンと知り合って。
とーやクンとモモクンが同じ人かもって思って。
そしたら…』





とーやクンを見上げて。

視線を合わせた。





『モモクンにじゃなくて。
とーやクンにドキドキしてたんだよ』





…ちゃんと言わなきゃ。

言わなきゃ伝わらない。





『……とーやクンが、好き…』





体中の血液が。

大量に動き出したかのように。

心臓はフル稼働。

体温は急上昇する。





『いつから、なんてわからない。
気付いたときにはもう…』





私は、急に恥ずかしくなって。

とーやクンから視線を逸らし。

俯いた。



 

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