不器用なシタゴコロ

…よく考えたら。

今だってお酒、入ってるんだよね。

さっきまでみんなと飲んでたんだし。



でも。

私と同じくらい飲めるから。

酔ってるのかどうかよくわからないけど。





『今は、酔ってる?』

「…さぁね」





コツン。

とーやクンは私の頭の上に顎をのせたらしく。

拗ねてるように聞こえる小さな呟きは。

頭の上から降ってくる。





「…俺の部屋、行こ」

『え?』

「…ココじゃ、落ち着かなくて」





苦笑いするとーやクンの言葉に、我に返る。



…ここは駐車場。

しかも車の外…。





『…ちょっ…!!』





こんなとこ誰かに見られたらどーするの?!

マズイでしょ?!





慌てて離れた私を見て。

“…プッ”と小さく笑うと。





「…だから、俺の部屋行こうって言ったデショ?」





そう言って。

とーやクンは私の頭に手をのせ。

“ポンポン”と軽く叩いた。



 

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