不器用なシタゴコロ
vol.15
重苦しい空気は。
部屋に入っても変わらなくて。
とーやクンの後について歩く。
リビングへと進む足取りも重かった。
「…座ってて」
そう言って。
“ポン”と私の頭に軽く手をのせ。
とーやクンはキッチンへと歩いていった。
『………ハァ…』
とーやクンの姿がなくなったリビングに。
私のため息だけが響く。
なんでなにも言ってくれないんだろ。
またこのまま曖昧に誤魔化されるのかな。
私が聞いたことは。
間違ってたのかな…。
『………ハァ…』
もう一度ため息を吐くと。
膝を抱え。
ソファーに寄り掛かるようにして座り込んだ。
「…またため息吐いてんね」
その言葉と一緒に。
斜め上に人の気配を感じた。